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就業規則テーマ別解説





就業規則の総則における「目的」について説明します。
まず、目的ですが、記載例は以下のとおりです。

(目的)
第○条 この規則は、○○株式会社の従業員の労働条件、服務規律、その他の就業に関する事項を定めるものである。
2.本規則の定めのない事項については、労働基準法その他の関係法令に定めるところによる。

ここで、まず確認したいことは、就業規則は労働条件や服務規律等様々な就業に関する内容を記載していることを明確にしているということです。

従って、就業規則をきちんと整備していれば、労使間のトラブルが未然に防止できます。

なぜならば、「勤務態度が悪いので、懲戒処分にしたい」というときは、この服務規律に該当するかチェックします。そして、服務規律に違反するということは、就業規則違反ですから懲戒処分につながっていくことになります。

今、記載したことは当たり前のように感じると思いますが、単に就業規則を「ひな型」のまる写しをしているような会社では、このような考え方は浮かんでこないと思います。

勤務態度の悪さについて、合理的根拠のないまま懲戒処分をしてしまい、最終的には、使用者の主観的な判断で懲戒処分が行われることもありえます。

これでは、労使トラブルが発生してしまいます。そして、会社の信用が低下してしまい、優秀な人材の確保・定着も難しくなります。

就業規則の目的というのは、そういう意味で就業規則の重要性を謳ったものですので、きちんと記載しておくべきです。

次に、「本規則の定めのない事項は、法令で定めるところによる」も重要です。

就業規則自体は重要ですので、法令の内容も含めてできるだけ詳細に記載しておく必要があります。例えば、有給休暇ですと労働基準法では6か月勤務していれば10日付与されます。仮にこの法令のとおりに実施する場合でも、きちんと記載しておいた方が、労使双方が間違った理解をしたことにより、法令に違反するような行為をすることが防止できますので、有効です。

そうはいっても、就業規則に記載していない思いがけないことがあった場合もありえます。そのためのリスク・ヘッジになります。

法令は就業規則より優先しますので、改めて記載しなくても良いのでないかという考えもありますが、従業員の認識を促すことにもなりますので、記載をしておいた方がよいといえるでしょう。




就業規則の総則における「適用範囲」について説明します。
まず、記載例は以下のとおりです。

(適用範囲)
第○条 この規則は、第○章で定める手続きにより採用された従業員について適用する。契約従業員、パートタイム従業員または臨時従業員の就業に関しては、別に定める規則による。

この他にも、例えば定年後に再雇用する者を「嘱託」として定義する場合もあります。また、契約従業員やパートタイム従業員等については、退職金規程を適用しないということを記載する場合もあります。

さて、ここでのポイントですが、重要なのは正社員と非正社員との取り扱いを明確に区分することです。

例えば、一番わかりやすいのが「退職金」です。退職金自体は、絶対的に支給しなくてもよいものです。つまり、支給することが明確な場合は就業規則に記載しなければなりませんが、支給の有無については企業側の任意です。

ただ、「退職金」を支給する企業が多いのが実態です。これは、長年会社に貢献してきた人への功労に報いる性格があるからでしょう。また、賃金の後払い的だとする考えもあります。

ちょっと話がそれますが、優秀な人材の確保・定着の観点からすると、退職金制度を導入している企業は、従業員にこのことを積極的にアピールしなければなりません。

よく考えてください。退職金は必ず企業が支払う必要はないにもかかわらず、従業員のためを思って会社が負担を約束した制度です。ですから、「会社は従業員を大切している」ということを従業員に伝えておくことが大事です。

例えば、引越しの例を考えて見ましょう。結構、引越しの際に業者に「お疲れ様。これで、終わったらお茶でもしてください」といって、数千円のお金を担当者に渡すこともあると思います。いわゆる、チップみたいなものです。

ここで、重要なのが、このお金をいつ渡すかということなのです。つまり、引越し作業をする前か後かということです。

私は、この場合は、引越し作業をする前がよいと思っています。実際そうしています。そうすれば、作業員は「いいお客さんだ」と思ってくれます。ですので、重い家具を運ぶときも、傷をつけないように慎重に運んでくれるし、私のときはレイアウトまでアドバイスをいただきました。「このようなものは、危険ですのでエアコンの前に置かない方がいいと思います。」等々です。

これが、引越し作業が終わった後でしたら、まずお金がもらえるとは知らないわけですから、いわゆる普通のお客さんになってしまいます。いわゆる特別扱いにはならないわけです。そして、感謝して帰るだけです。勿論、この担当者とは、おそらくもう会うことはないと思います。

勿論、お金を渡すことで、必ず業者の態度が大きく変わるかということは言い切れませんが、どうせ渡すなら、最初に渡した方が効果は大きいといえるでしょう。

退職金も同じことがいえます。若い人たちのなかには、退職金を意識して勤務している人は意外に少ないと思います。自分が何年働いたら退職金がいくらもらえるか等意識していない人は多いと思います。

そして、いざ退職するときになって、初めてわかります。これだけ退職金がもらえるんだと。これは、引越しの場合ですと後でお金を支払うのと同じことになります。

それよりも、退職金制度は従業員のモチベーション向上策のひとつとして位置づければいいと思います。すなわち、「長年会社に尽くし、それなりの職務を与えられ、きちんと成果を出せば、会社はそのことについてきちんと退職金として評価してくれる。」と日々従業員が感じてくれることが重要です。それでこそ、わざわざ会社が負担する意味があるのです。

このための方策は、私はポイント制退職金がベターだと思っています。このことについて詳しく知りたい方は、別途お問い合わせください。

では、話を戻します。正社員には退職金を支給しますが、そうでない非正社員には退職金を支給しない場合があります。このように社員の相違により取り扱いが違うことも出てきます。

このような場合は、きちんと就業規則に明記しておかないとトラブルのもとになってしまいます。例えば、本来パート・タイマーには、退職金を支給しないつもりだったのが、きちんと区別していないため、支給を見込んでいたと主張されるリスクもあります。

そのため、正社員の規則とは別に、例えばパートタイム規程のような別規程を作成しておき明確に区分しておくことが適切になります。


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