経営人事労務顧問・就業規則・ハラスメント対策・残業対策・メンタルヘルス対策・セミナー・研修    坂本直紀 社会保険労務士法人

坂本直紀 社会保険労務士法人 電話番号-坂本直紀 社会保険労務士法人
お問合せ・ご相談


プロフィール

坂本直紀のビジネスブログ

執筆紹介
職場のメンタルヘルス対策の実務と法
「職場のメンタルヘルス対策の実務と法」(民事法研究会 2009年4月4日発行)
詳しい内容はこちら

これだけで改正雇用保険法のすべてがわかる
「これだけで改正雇用保険法のすべてがわかる」(日本法令 2009年7月15日発行)
詳しい内容はこちら
執筆実績一覧へ

メールアドレス
>>バックナンバー

トップページ → 法改正情報一覧 → パートタイム労働法の改正(追加解説)

法改正情報

パート労働法

追加解説 (厚生労働省ホームページ 改正パートタイム労働法のポイント参考)

雇い入れの際、労働条件を文書などで明示すること<改正法第6条>

 事業主は、パートタイム労働者を雇い入れたときは、速やかに、
「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」を文書の交付等により明示しなければなりません。
 違反した場合は10万円以下の過料に処せられますので注意が必要です。
 パートタイム労働者が希望した場合は電子メールやFAXで明示することが可能ですが、後々のトラブルを避けるためにも、パートタイム労働者が電子メールやFAXを受け取ったかどうか、パートタイム労働者から返信してもらう等により、受信を確認することが望まれます。

 実務上は以下の点に注意する必要があります。
・昇給や賞与の支給を事業所の業績やパートタイム労働者の勤務成績などによって行うケースで、業績等を考慮して昇給や賞与支給を行わないことがある場合は、この点を明記すること

・退職手当を勤続年数に基づき支給するケースで、所定の年数に達していない場合は支給されなかいことがある場合は、制度は「有り」とした上で、「業績により不支給の場合あり」や「勤続○年未満は不支給」など支給されない可能性があることを明記すること

 尚、労働基準法では、パートタイム労働者も含めて、労働者を雇い入れる際は、労働条件を明示することが事業主に義務付けられています。特に、「契約期間」、「仕事をする場所と仕事の内容」、「始業・終業の時刻や所定時間外労働の有無、休日・休暇」、「賃金」等は、文書で明示することが義務付けられています。

 また、事業主は、これら以外の事項についても、文書の交付等により明示する努力義務があります。

雇い入れ後、待遇の決定に当たって考慮した事項を説明すること<改正法第13条>

 事業主は、その雇用するパートタイム労働者から求めがあったときは、その待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明しなければなりません。

 説明義務が課せられる事項は以下の内容です。
労働条件の文書交付等、就業規則の作成手続、待遇の差別的取扱い禁止、賃金の決定方法、教育訓練、福利厚生施設、通常の労働者への転換を推進するための措置

 例えば、賃金の決定方法についての説明を求められた場合の対応例は以下のとおりです。
・「あなたはパートタイム労働者だから賃金は○○円だ。」・・・×
・「通常の労働者の仕事内容に比べて、パートタイム労働者の仕事内容が軽易であり責任の程度も低い。そのため、「職務の内容」を勘案して賃金に差を設けているが、仕事内容が変わればパートタイム労働者も仕事内容に応じたものに賃金を変更する」・・・○

 尚、パートタイム労働者が納得するまで説明することを求めているものではありません。

パートタイム労働者から通常の労働者へ転換するチャンスを整備すること<改正法第12条>

 事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用するパートタイム労働者について、次のいずれかの措置を講じる必要があります。

・通常の労働者を募集する場合、その募集内容を既に雇っているパートタイム労働者に周知する。
・通常の労働者のポストを社内公募する場合、既に雇っているパートタイム労働者にも応募する機会を与える。
・パートタイム労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設けるなど、転換制度を導入する。
・その他通常の労働者への転換を推進するための措置

 上記の対応の例は以下のとおりです。
・ハローワークに通常の労働者募集の求人票を出す場合、あわせてその募集案内を事業所内でも掲示し、パートタイム労働者に周知する。
・通常の労働者に係る新たなポストや空席のポストを社内公募で充足する場合、パートタイム労働者にも応募の機会を与える。
・パートタイム労働者から通常の労働者への登用制度を設け、定期的に試験を実施する。

 尚、パートタイム労働者から通常の労働者への転換の要件として、勤続期間や資格などを課すことは、事業所の実態に応じたものであれば問題ありません。但し、必要以上に厳しい要件を課した転換の仕組みを設けている場合は、法律上の義務を履行しているとは言えない場合もあるので注意が必要です。

 事業所によっては、[いわゆる正規型の労働者]と[フルタイムの基幹的な働き方をしている労働者]の両方が「通常の労働者」として存在する場合もあります。このような事業所は、パートタイム労働者を[いわゆる正規型の労働者]への転換を推進するための措置を講じることが義務となります。

 パートタイム労働者から契約社員へ転換する制度を設け、さらに、契約社員から通常の労働者へ転換する制度を設ける、といった複数の措置を講じ、通常の労働者へ転換する道が確保されている場合も本条の義務の履行となります。

 また、転換を推進するためにも、どのような措置を講じているか、事業所内のパートタイム労働者にあらかじめ広く周知するよう努める必要があります。

すべての待遇についてパートタイム労働者であることを理由に差別的に取り扱うことが禁止<改正法第8条>

 事業主は、職務の内容、退職までの長期的な人材活用の仕組みや運用などが通常の労働者と同一のパートタイム労働者であって、期間の定めのない労働契約を締結している者については、パートタイム労働者であることを理由として、その待遇について、差別的取扱いをしてはなりません。
 また、上記の期間の定めのない労働契約には、反復更新によって期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められる有期契約も含まれます。

 すなわち、以下の内容を考慮して差別的取り扱いの禁止の判断が行われます。
・職務の内容が同じ
・人材活用の仕組みや運用など が全雇用期間を通じて同じ
(パートタイム労働者が通常の労働者と職務が同一になってから、退職までの期間において、事業所の人事システムや慣行から判断して同じ)
・契約期間が実質的に無期契約「期間の定めのない労働契約を結んでいる場合」または「期間を定めて労働契約を結んでいても、期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当とされる場合」)

 期間を定めて労働契約を結んでいても、期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当とされる場合は最終的には裁判所において判断されることになりますが、これまでの裁判例をみてみると、以下の点が考慮されています。

・業務の客観的内容(恒常的な業務に従事しているか、臨時的な業務に従事しているか、通常の労働者の業務との違いがあるか)
・契約上の地位の性格(契約上の地位が臨時的か)
・当事者の主観的態様(継続雇用を期待させる事業主の言動や認識があったか)
・更新の手続・実態(反復更新の有無や回数、勤続年数、契約更新時の手続方法)
・他の労働者の更新状況(同様の地位にある労働者の雇い止めの有無)

賃金(基本給、賞与、役付手当等)は、パートタイム労働者の職務の内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案して決定するよう努めること<改正法第9条第1項>

人材活用の仕組みや運用などが通常の労働者と一定期間同じ場合、その期間の賃金は通常の労働者と同じ方法で決定するよう努めること<改正法第9条第2項>


 パートタイム労働者の賃金を客観的な基準に基づかない事業主の主観や、「パートタイム労働者は一律○○円」といったパートタイム労働者という理由で一律に決定するのではなく、職務の内容や能力のレベルに応じて段階的に設定するなど、働きや貢献に応じて決定することが努力義務の内容となります。

 具体的には、職務の複雑度・困難度や責任・権限に応じた賃金設定や、昇給・昇格制度や人事考課制度の整備、職務手当、役職手当、成果手当の支給など各事業所の実情にあった対応が求められます。

 また、通常の労働者とパートタイム労働者とで職務の内容と人材活用の仕組みや運用などが同じであれば、単位当たりの仕事の対価は同じであるという理念を表したものであり、同一の賃金決定方法にすることで、両者を同じ職能や職務といった「モノサシ」で評価することが可能になるというものです。

 具体的には、このようなパートタイム労働者に通常の労働者と同じ賃金表を適用することがもっとも望ましいものですが、通常の労働者が職能給であればパートタイム労働者も職能給にするなど、同じ評価基準によって賃金を決定すれば本条の義務の履行となります。

教育訓練は、職務の内容、成果、意欲、能力、経験などに応じて実施するよう努めること<改正法第10条第2項>

職務の遂行に必要な能力を付与する教育訓練は、通常の労働者と同様に実施すること<改正法第10条第1項>


 教育訓練は、職務の遂行に必要な能力を身につけさせるための訓練と、それ以外、例えばキャリアアップのための訓練などの職務に関連しない訓練とに分けて、以下のような対応が求められています。

【職務の遂行に必要な能力を身につけさせるための訓練】
 パートタイム労働者と通常の労働者の職務の内容が同じ場合、その職務を遂行するに当たって必要な知識や技術を身につけるために通常の労働者に実施している教育訓練は、パートタイム労働者が既に必要な能力を身につけている場合を除き、そのパートタイム労働者に対しても通常の労働者と同様に実施することが義務化されます。

 例えば、経理業務に従事している通常の労働者にその職務遂行上必要な簿記の訓練を実施しているときは、同じ職務に従事しているパートタイム労働者に対しても実施しなければなりません。

【キャリアアップのための訓練など】
 上記の訓練以外の訓練、例えばキャリアアップのための訓練などについては、職務の内容の違いの如何にかかわらず 、パートタイム労働者の職務の内容、成果、意欲、能力及び経験などに応じ実施することが努力義務化されます。

福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)の利用の機会をパートタイム労働者に対しても与えるよう配慮すること<改正法第11条>

 福利厚生施設のうち、給食施設、休憩室、更衣室について、通常の労働者が利用している場合はパートタイム労働者にも利用の機会を与えるよう配慮することが義務化されます。対象は働き方にかかわらずすべてのパートタイム労働者です。施設の定員などの関係で利用の機会が制限される場合を除き、パートタイム労働者にも利用の機会を与えることが求められます。

 例えば、給食施設の定員の関係で事業所の労働者全員に施設の利用の機会を与えられないような場合に、増築などをして全員に利用の機会が与えられるようにすることまで求めるものではありません。しかし、施設の利用規程の対象が正社員に限定されているならパートタイム労働者にも適用されるよう改定し、パートタイム労働者と正社員に同じ機会を与えるなどの具体的な措置が求められます。

事業主は、パートタイム労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関に苦情の処理をゆだねるなどして、自主的な解決を図るように努めること<改正法第19条>

 パートタイム労働者から苦情の申出を受けたとき、事業所内の苦情処理制度を活用するほか、人事担当者や短時間雇用管理者が担当するなどして、事業所内で自主的な解決を図ることが努力義務化されます。

 苦情の解決方法や仕組みについては、事業所内のパートタイム労働者に周知し、活用に努めます。

 対象となる苦情は、改正法において事業主が措置を講じることが義務化される事項です。

【対象となる苦情】
 労働条件の文書交付等、待遇の決定についての説明、待遇の差別的取扱い、職務の遂行に必要な教育訓練、福利厚生施設、通常の労働者への転換を推進するための措置

法改正一覧に戻る

フッター
Q&A会社の合併・分割・事業譲渡をめぐる労務管理 職場のメンタルヘルス対策の実務と法 これだけで改正雇用保険法のすべてがわかる 労働関係法改正にともなう就業規則変更の実務
「Q&A会社の合併・分割・事業譲渡をめぐる労務管理」(新日本法規 2009年6月25日発行)
共著。坂本は「合併」を担当しました。
詳しい内容はこちら
「職場のメンタルヘルス対策の実務と法」(民事法研究会 2009年4月4日発行)

詳しい内容はこちら

「これだけで改正雇用保険法のすべてがわかる」(日本法令 2009年7月15日発行)

詳しい内容はこちら
「労働関係法改正にともなう就業規則変更の実務」(清文社 2009年2月10日発行)
改正パートタイム労働法を担当しました。

詳しい内容はこちら


フッター
当社との取引について
人事労務顧問・就業規則・ハラスメント対策・残業対策・メンタルヘルス対策・セミナー・研修は全国対応です。

※ 手続き業務については、主に以下の地域について実施します。
◎東京都
世田谷区、渋谷区、目黒区、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、 江東区、品川区、大田区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、武蔵野市、三鷹市、西東京市、国分寺市  
◎神奈川県
  川崎市、横浜市
◎埼玉県
◎千葉県
その他の地域についてもお気軽にご相談ください。
フッター
トップページ会社概要事業概要お役立ち情報お客様の声FAQ
個人情報保護方針 著作権・免責事項リンク 特定商取引法に基づく表記人事労務イノベーション研究会
Copyright (C)2007-2011 坂本直紀 社会保険労務士法人 All rights reserved
フッター