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社労士・診断士 坂本直紀の今日の日経注目!

記事一覧(2008年5月)
  

記事タイトル 記事タイトル
1 糖尿病の疑い 1870万人 16 ノーリツ鋼機 社長人事巡り対立
2 401k 社内理解進まず 17
3 18
4 19 新人社員に離職・休職対策
5 20 自主企画商品 ローソン「100円」全国販売
6 21 マクドナルド 店長らに残業代
7 22 すかいらーく 店長独立でFC展開
8 年金記録訂正で減額の場合、受給額減らさず 23 品質管理活動の残業代 トヨタ全額支給
9 雇用保険、国庫負担を廃止 24
10 25
11 26 三井物産 成果主義撤回
12 マックハウス 地域限定社員登用制度導入 27 変わる非正規社員の労働関係
13 時間外労働の割増賃金 スーパー4割不払い 28 はるやま、店長を非管理職に
14 年金足りない56%に上昇 29 店長年収 幸楽苑 100万円上げ
15 三菱化学抗血栓薬 発明の対価4500万円 30
31

糖尿病の疑い 1870万人(5月1日30面)

<記事の概要>
厚生労働省の「2006年国民健康・栄養調査」で糖尿病が強く疑われる人と予備軍を合わせると約1870万人と推計されました。

成人の5.6人に一人の計算になります。

また、中高年男性のほぼ2人に1人が、メタボ該当者か予備軍という調査結果も出ました。

<意見・解説・感想>
興味深い調査結果です。

私も、少々太り気味ですので、気になるところです。

以前、人間ドックでコレステロールで引っかかった時に、栄養士の先生から色々アドバイスされました。

その中で、興味深かったのは、「毎日、水を2リットル飲むように」といわれたことです。

なぜかよくわからなかったのですが、血液サラサラに寄与するからだと思っています。

これから、暑くなります。水分補給が大切だと思いますので、2リットルとまでいかなくても、水分をまめに補給し、適度に運動することで、メタボ解消を目指したいと思っています。

今日は、道路関係の記事ばかりでしたので、ちょっと今までとは異なる視点で記事を書いてみました。

401k 社内理解進まず(5月2日4面)

<記事の概要>
確定拠出年金普及協会の調査によると、確定拠出年金を導入している企業の社員の57%が、企業が負担する掛け金を知らないことがわかりました。

また、性・年齢別では、認知度が低いのは、20代の若手で特に女性という結果が出ました。

<意見・解説・感想>
これは、問題です。

私は、企業の方によくアドバイスすることに、退職金は社員のモチベーションアップの機会にして下さいと話しています。

つまり、退職金は労働基準法で必ず支給しなければならないと定めているわけではありません。そして、確定拠出年金も企業型は企業が全額掛金を拠出しています。

こうしたことから、退職金は会社が従業員のためを思って、費用負担しているものです。

このことを明確に従業員にアピールすることが重要です。

そして、従業員が会社の制度を理解し、モチベーションを向上させることで、帰属意識がうまれ、優秀な人材の定着につながるというプラスの循環を描くことが大切だと考えています。


年金記録訂正で減額の場合、受給額減らさず(5月8日5面)

<記事の概要>
社会保険庁では、本人のものと特定できる年金記録が新たに判明し、訂正手続きをする際に、受給者に不利な記録訂正となる場合は、「修正なし」として扱う方針を固めました。

受給者の立場で基準を統一することになります。

<意見・解説・感想>

これは、年金記録問題におけるビッグ・ニュースです。

年金の記録訂正の場合、通常加入期間が増えると受給額が増えます。
年金額を算出する際は、加入期間の長さが影響するためです。

ところが、時々、加入期間が増えると年金が減るケースがあります。

例えば、遺族厚生年金は、みなし300月という制度があります。
これは、被保険者期間が、300月未満の場合は、300でカウントするというものです。

そのときに昔の低い給料が見つかったら、給料の平均(難しい言葉では、平均標準報酬(月)額といいます)が下がります。そのときに、加入期間は300月で変わらないため、低い給料の期間をプラスした結果、年金額が下がることになります。

つまり、年金が増えると思って喜んで手続きをしにいったら、減らされるというリスクがあったわけです。

ところが、今回の基準統一で、こうした心配はなくなったと思われます。

ただ、やはり年金はとても重要なので、窓口で、「手続きをして、私の年金は減ることはないですよね」と必ず一言確認しておくことです。

年金は、終身もらえる貴重な老後の柱です。適切に確認しながら手続きを進めることが必要です。


雇用保険、国庫負担を廃止(5月9日1面)

<記事の概要>
財務省は、雇用保険制度の国庫負担を廃止する検討に入りました。

雇用保険の財源は、労使折半の約2兆円の他に国が約1600億円を負担しています。

ただ、雇用情勢の好転により、労働保険特別会計の積立金は08年度末で4兆9000億円と過去最大になる見通しです。

雇用保険の支出も1.7兆円とピーク時よりも1兆円減っています。

こうしたことから、財務省は国庫負担を打ち切っても問題ないと考えているようです。

<意見・解説・感想>
現在、多くの企業では人手不足であり、社員の正社員化も進んでいます。

こうしたことから、離職してもすぐに再就職でき、結果として失業給付を受給しなくてすむケースが多いと思います。

また、自己都合で退職した場合は、給付制限期間として3か月間あります。こうしたことも、すぐに就職することにつながると思います。

ただ、国庫負担を廃止するのはいかがなものかと思います。

その理由は、一度廃止したものを復活するのは、なかなか難しいからです。

景気は変動します。従って、不景気となり、失業者が増加する可能性を全くゼロにするとはできないと思います。

そうなると、将来、保険料率の増加や給付削減ということにつながりかねません。

国庫負担を廃止するというのではなく、まずは負担を削減しつつ、世の中の状況に応じて、柔軟に増減できる仕組みがよいと考えます。



マックハウス 地域限定社員登用制度導入(5月12日11面)

<記事の概要>
カジュアル衣料専門店のマックハウスは契約社員を地域限定社員に登用する制度を導入しました。

約120人を対象とし、毎年約20人を登用する予定です。
総合職の正社員と同じ職務内容と賃金体系にします。

<意見・解説・感想>
地域限定社員と言えば、ユニクロが採用しているのを思い出しますが、このように契約社員等が地域限定社員に登用されるケースがでてきています。

総合職の正社員と地域限定社員にようにコース別に雇用管理を行うのは、企業としては大変です。しかし、少子化で人材採用が困難な中、優秀な人材の確保、定着を図るうえでは、とても意義のある制度だと思います。

特に、結婚したり、育児を行う女性の場合は、簡単に転勤することはできません。こうした社員の働きやすさを考慮すると地域限定社員は有効と考えます。

また、小売店等では、地域に密着しているケースが多いです。そう考えると、地域限定社員として、同じ地域で勤務している社員であるがゆえに、顧客に満足できるサービスをより提供できることにもつながります。

このように地域限定社員は、様々なメリットがありますので、必要に応じて取り入れるとよいと思います。



時間外労働の割増賃金 スーパー4割不払い(5月13日35面)

<記事の概要>
東京労働局によると、都内の食品スーパーのうち、2007年度に約4割で、割増賃金を支払っていないことがわかりました。

東京労働局が指摘した違反の中で最も多かったのが、「割増賃金の不払いで、36社中14社が該当しました。

<意見・解説・感想>
現在、時間外労働に基づく割増賃金の不払いに関して、厚生労働省、直接的には労働基準監督署の取り締まりが厳しくなっています。

そもそも、割増賃金不払いは、明らかに労働基準法違反なので、労働基準監督官は、見つかれば厳しく指導します。

割増賃金未払いの問題をなくすには、基本的には、以下の2つの方法しかないと思っています。

・割増賃金をきちんと支払う。
・残業そのものをなくす。

この中で、「残業そのものをなくす」が効果的と考えています。「なくす」までいかなくても、残業が大幅に削減できれば、割増賃金額も少なくなり、支払いやすくなるので、未払い問題の解消に大きくつながると思います。

ただ、こうした話をすれば、よく批判が生じます。つまり、「中小企業の状況がわかっていない」、「納期に追われているのに、残業を減らすなんて無理だ」ということです。

でも、このようにできない理由が先行してしまえば、いつまでたっても残業問題から逃れることはできないと思っています。まずは、少しでもいいから、業務改善を進め、生産性向上を図ることが重要です。

その結果、労働時間が短縮化され、残業時間が少なくなります。そして、先ほどのように割増賃金未払いの解消につなげていく循環を構築することが重要と考えます。


年金足りない56%に上昇(5月14日5面)

<記事の概要>

2006年度の高齢者の経済生活に関する意識調査結果を内閣府は発表しました。

60歳以上で年金が生活費に足りないと思う人は、56.9%と前回と比較して10.3ポイント上昇しました。

一方、「年金で生活をまかなえる」とした人は、32.7%と6.8ポイント低下しています。

<意見・解説・感想>
年金に関しては、あまり明るい話題はないですね。

ただ、年金額については、今、保険者を払っている若い世代より、現在受給している人が有利な制度です。

典型的なのは、厚生年金です。段階的に支給開始年齢が引きあがっており、最終的には、65歳支給で落ち着きます。つまり、以前は60歳から厚生年金をもらっていましたが、これからは繰り上げ等の例外はありますが、原則として65歳までは厚生年金はもらえないことになります。

一方、保険料は、毎年上がっている状態です。

こう考えると、今の若い世代が年金に制度に対して不満や不安を感じるのは当然のことだと思います。

今回は、年金足りないと感じている人が上昇している記事でしたが、この状態が続けば、ますますそう感じる方も増えるでしょう。

年金とは、老後の所得の柱です。その柱に不安があるようであれば、もう1つの柱、すなわち高齢者も働ける環境を整備することが重要です。

政府は、年金を減額するのであれば、高齢期にも安心して働ける環境整備に真剣に取り組んでいただきたいと思います。


三菱化学抗血栓薬 発明の対価4500万円(5月15日42面)

<記事の概要>

三菱化学の元研究者が、特許の発明の対価として1億円を請求しました。

一審では、同社に1200万円の支払い求めましたが、知的財産高裁では、支払額を4500万円に増額しました。

3.7倍の増額を認めたことになります。

<意見・解説・感想>
今回は、久しぶりに知的財産権、その中で職務発明について取り上げました。

まず、職務発明について説明します。

第一に、業務上の命令すなわち職務で従業員が発明した場合、特許を受ける権利は原始的に発明者に帰属します。ここが、まず大きなポイントです。

第二に、会社は職務発明の場合は、通常実施権をもつことになります。簡単にいえば、自由に自社で製造したり、販売できるということです。

しかし、そうはいっても、会社は特許を受ける権利が欲しいのが通常です。なぜならば、特許権をもつことで、他社の権利侵害を防いだり、ライセンスしたり、譲渡したりできるからです。

そこで、第三に、予約承継というかたちをとります。これは、勤務規則等に、「発明が完成したら、会社に譲渡してね」というルールを設けます。

そして、第四に、そうはいっても、「ただで会社に譲渡しないよ」ということで、相当な対価を会社は譲渡してもらうときに、支払うことになります。

この相当の対価が少ないケースがあるので、このように裁判で争われています。

職務発明の対価は高額化しています。正直、研究開発職等だけ手厚くなりますので、営業職等の他の社員のバランスを考えると、ちょっといきすぎではないかというのが個人的な見解です。

しかし、こうした裁判の流れがある以上、まずは、会社は、自社の職務発明規程を見直し、相当の対価について、社員と誠実に協議を行い決定することが、重要といえるでしょう。


ノーリツ鋼機 社長人事巡り対立(5月16日13面)


<記事の概要>

写真出力装置のノーリツ鋼機は、現在の社長が退任し、喜田副社長が社長に就く人事案を固めました。

ただ、この人事案に関して、5割弱の株式をもつ創業家が反対の意向を示しています。

喜田副社長は、かつてのライバル企業を含めて提携を推進していますが、創業家は反対の意向を示しています。

株主総会で、この人事案が否決される可能性もあります。

<意見・解説・感想>
社長人事を巡る対立です。
興味深い内容です。

記事からでは、不透明な部分もありますが、おそらく、創業家は5割弱の株式を持っていますので、過半数を確保すべく、調整すると思われます。

過半数になりますと、取締役の選任、解任が決議できるからです。

新社長側も同様に、過半数の確保に努めるでしょう。

ただ、社員の立場を考慮すると、こうした騒動は早く解決したほうがいいです。一番、よいのは、創業家と新社長側が、よく話し合い円満に解決することです。

取引先も同様の考え方と思われます。

事態がよりこじれる前に、円満に解決を図っていただきたいと思います。

新人社員に離職・休職対策(5月19日11面)

<記事の概要>

大手企業が、新入社員対策を強化しています。具体的には以下のとおりです。

・三井物産・・・新入社員のほぼ全員を独身寮に入寮させました。また、独身寮が入寮できる年数を入社3年目から5年目にまで延長し、先輩社員と交流できる機会を増やしています。

・東京電力・・・メンター(相談員)制度を試験導入します。仕事の内容や職場の人間関係等について助言します。

・三井化学・・・体調を崩したら、早めに相談できる体制を整備し、うつ病等の防止に努めます。

<意見・解説・感想>
新入社員の定着率向上に関する記事です。

この中で、寮生活ですが、私も経験があります。新入社員のときに研修期間があるのですが、そのときは入寮を強制されました、当時は3人部屋で、ベッドは部屋の真ん中でした。先輩社員と同じ部屋ですので、結構気を遣いました。

それと、別の寮では、マージャン部屋があって、しょっちゅうマージャンをしていたこともありました。

でも、今思えば、よい思い出です。寮生活は、一度は経験しておいたほうがいいかもしれませんね。

さて、新入社員の休職等に関する問題は、結構深刻です。

休職期間ということは、勤務していないわけですから、会社にとっては、様々な問題が発生します。

まず、代替要員の確保です。中小企業のように人手不足の場合は、代わりの社員を雇う必要性がでてきます。そして、休職していた社員が復職しますと、今度は、代替要員と仕事に分担等の調整が必要になります。結構大変です。

また、休職期間中でも社会保険料の負担が発生します。特に厚生年金保険料は、高いですので、労使折半といえ、働いていない社員に対して社会保険料を継続して負担するのは、厳しい面もあります。

従って、今回のように休職に関しては、事前に予防措置を整備することは意義のあることです。特に上司よりも年齢の近い先輩社員の助言という制度は参考になると思われます。



自主企画商品 ローソン「100円」全国販売(5月20日3面)

<記事の概要>

ローソンは、20日から価格100円のPB商品を販売します。調味料など35品目から始めます。

メーカーの定価販売からPBを前面に出す戦略に切り替える方針です。

<意見・解説・感想>
今回はコンビニのPB商品戦略について取り上げました。

PB商品のPBとは、プライベート・ブランドのことで、小売等の流通業者主導のブランドです。これに対して、メーカー主導のブランドはNB(ナショナル・ブランド)と呼ばれています。

PB商品の特徴は、流通業者主導であるため、川下であるエンドユーザー(一般消費者)の購買状況、ニーズを直接商品に反映させやすい面があります。

また、流通業者は、製造設備を通常有しませんから、外部委託で製造をしてもらうことになります。つまり、流通業者側は、商品企画や管理がメインということになります。

今回のPBの100円展開は、消費者側が、物価が上昇する中、安い商品を求める傾向にあるからと考えられます。

ただ、難しいのは、コンビニは小規模な店舗であるがゆえ、置かれる商品には限りがあるということです。そうした中、PB商品と売れ筋商品に絞られますと、メーカー側にとっては、コンビニの棚に商品を置いてもらうことは、ますます困難になるといえます。

おそらく、今回のPB商品の重視により、契約が切られるメーカーも出てくるのではないかと考えます。

これからは、メーカー側がいかに工夫して、ヒット商品を開発するかが大きな課題になるといえます。


マクドナルド 店長らに残業代(5月21日13面)

<記事の概要>
日本マクドナルドが店長らに残業代を支払う方針に転じました。
同社は、1月に東京地裁で、店長の残業代問題で750万円の支払いを命じられています。

ただ、同社は地裁判決を不服として控訴しいますが、取り下げることは考えていないようです。

<意見・解説・感想>
店長の管理監督者問題について大きな動きが出ました。

日本マクドナルドが、店長にも残業代を支払うことで、他の企業にも影響を与えそうです。

まず、管理監督者に関しては、以下の通達(要約しています)があります。ちょっと長いですがお付き合いください。

<昭63.3.14基発150号 要約>
・企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上の役付者であればすべてが管理監督者としての例外的取扱が認められるものではない。

・これらの職制上の役付者のうち、労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限って管理監督者として適用除外が認められること。 
・管理監督者の範囲を決めるには、資格及び職位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様に着目する必要がある。

・管理監督者であるか否かの判定に当たっては、賃金等の待遇面についても無視しえず、基本給、役付手当等においてその地位にふさわしい待遇がなされているか否か、ボーナス等の一時金の支給率、その算定基礎賃金等についても一般労働者に比して優遇措置が講じられているか否か等について留意する必要がある。但し、優遇措置が講じられていても実態のない役付者が管理監督者に含まれるものではない。

日本マクドナルド事件の判決を読むと、概ね、この通達を基準に判断していると感じています。

特に、この場合の店長は月100時間を超える場合などの長時間労働があり、また店長によっては評価によっては、下位のファーストアシスタントマネージャーの給与より低額の場合もあったようです。

その他の点も含めて総合的に考慮すると、個人的には、概ね妥当な判決であったように思えます。

今後は、他の企業でも管理監督者問題に真剣に取り組むと思われます。

私も、この問題は、しっかり研究したいと思います。



すかいらーく 店長独立でFC展開(5月22日3面)

<記事の概要>
すかいらーくでは、店長を務めるベテラン社員に独立後、FC店をもたせる仕組みを作ります。

報酬体系を売り上げに直結するようにして、有能な人材をつなぎとめる方針です。

すかいらーくは、ファミレスではじめてのFC導入となります。

具体的には、40歳上以上で店長経験10年以上の社員を対象にしてFC経営の希望を募ります。審査後、独立を認め、社員は退職後自費で店舗運営法人を設立することになります。但し、加盟金は不要とし、ロイヤリティは支払う仕組みにするようです。

<意見・解説・感想>
今回は、ファミレスのFCにおける店長の独立に関する記事です。

外食産業では、FCはよくみられますが、ファミレスではすかいらーくが全国規模では初めてのようです。これは、意外でした。

ファミレスとなるとコンビニと違い、店舗面積も広く、調理という作業もともない、接客サービスも高い品質が要求されます。確かにFC運営は難しそうですね。

ただ、今回は加盟金が不要で、独立できるのが魅力的です。あとは、設備資金、運転資金をいかに確保し、売上を拡大するかですね。

それから、スーパーバイザーをどうするのかも注目です。店長経験者だから不要のような気もしますが、本部支援も必要だと感じる場合もあるでしょうし、この点もどう対応するか興味深いところと思います。

いずれにしても、全国に規模拡大するうえでは、FCは有効な手段ですので、同様の戦略をとる企業もでてきそうですね。


品質管理活動の残業代 トヨタ全額支給(5月23日11面)

<記事の概要>
トヨタ自動車は、従業員が勤務時間外に行うQCサークルについて、残業代を全額支払うことを決めました。ホンダなども支払いを徹底する方針です。

これまでは、自主的な取り組みとして、QC活動を取り扱ってきましたが、金吾は業務として取り扱うことになります。

他社の主な動向は以下のとおりです。
・東芝・・・業務時間内で活動
・日立・・・業務と認定、なるべく勤務時間内で実施
・三菱電機・・業務と認定、時間外の場合は、上司の許可が必要
・シャープ・・原則、勤務時間内で実施
・松下・・・業務の内容については残業代を支払う
・新日本製鉄・・残業代とは別枠で助成金制度を設定

<意見・解説・感想>
トヨタはQCサークル活動を労働時間とみなし、時間外については残業手当を支払うことになります。

QCサークルとは、「カイゼン」の象徴的な活動であり、労使一体となって、生産性向上に取り組む、とても意義のある制度です。

ただ、このQCサークルとは、そもそも生産性の向上を図りますので、業務として切り離すのは困難であり、自主的な活動といっても、他の社員が活動しているのに、「自分だけやりません」とは、なかなかいえないでしょう。半ば強制的な面もあったと思います。

そう考えれば、活動時間は労働時間とみなし、時間外であれば残業代を支払うことになるのは、仕方がないことだと思います。

しかし、時間外の残業代は割増賃金になりますので、先ほどの例にように多くの企業では時間内の活動ということになると思われます。

ここで、私が注目しているのは、この適切に労働時間としてみなすことが、社員にとって本当にプラスとなるかどうかです。

第一に、組合がある場合、こうしたQC活動は、賃上げ交渉等の材料として使っていた場合もあると思います。「これだけ、会社に自主的に協力しているのだから、会社は誠意を見せるべきだ」ということですね。今後は、こうした主張は難しくなります。

第二に、QCサークルというのは、組織構成員が自由な雰囲気で活発に意見を出し合い、役割分担をして改善策を立案し、実施する点に特徴があります。業務となると、上司がやたらに意見をいって、自由活発な雰囲気がなくなるかもしれません。斬新な改善策がでにくくなり、ストレスを感じるかもしれません。

そう考えれば、一見、残業代が支払われることで労働者にとって有利に見えますが、もしかすると、状況が悪くなるかもしれません。慎重な対応が必要と思います。

三井物産 成果主義撤回(5月26日11面)

<記事の概要>

三井物産では、成果主義からチームワークなどの定性的な評価を軸とする制度に切り替えました。

三井物産では、99年成果主義制度を導入。年功制を廃止し、売上高の対前年比などを基準に格差をつける方式とし、部長級で最大300万円の開きが出るケースもありました。

そのあと、社内の雰囲気が悪化し、「業務知識や人脈を教えると損」という人もでてきました。

こうした問題もあり、80%を定性評価とする方向に転換しました。具体的には、部下への指導、行動規範の順守などを評価の要素としています。

途上国での職業訓練センターの充実など従来にない新しい発想もうまれる効果が出てきています。

<意見・解説・感想>
成果主義の見直しに関する内容です。
非常に興味深く感じました。

行き過ぎた成果主義ですと、どうしても短期的な視野に陥りがちになります。目標管理制度と連動していますと、目標を達成することを優先してしまい、その結果、達成しやすいやさしい目標をたてたり、周囲に対する配慮も評価に反映されないとして、ギスギスした雰囲気になるリスクがあります。

それでは、「目標管理制度がいけないのか」というと、そんなことはありません。目標を設定する基準を変えればいいということになります。

具体的には、「チャレンジ目標」、「通常の目標」、「チームワーク」という3つの軸で目標を複数設定する設計が大切になります。

今回の三井物産は、上司の部下の指導等、「チームワーク」を大切にしている印象があります。

今後は、行き過ぎた成果主義を見直し、社員にとって働きがいのある職場の形成を念頭に入れた、評価制度へと多くの企業が移行していくのではないかと考えています。

変わる非正規社員の労働関係(5月27日31面)

<記事の概要>
改正パートタイム労働法の内容と東急ストアの試みについて紹介しています。

改正パートタイム労働法の内容は、私のホームページでも紹介していますので、この点は、そちらをご確認ください。
→ http://www.sakamoto-jinji.com/modelpartkisoku.htm

東急ストアでは、「社員とパートの融合」をテーマに、週4日間(1日5時間以上)の勤務で、1年以上勤務していれば、短時間勤務のまま、正社員への登用試験を受けることができるようにしました。

また、S職(職種間の異動がない専門職)、G職(職種間の異動あり)を新設し、いずれかを選択して登用試験を受けることになります。

2008年は、41人の正社員に登用されています。

<意見・解説・感想>
改正パートタイム労働法が施行されて、約2か月となり、様々な動きが出てきています。

よく見かけるのが、正社員登用制度です。
私のホームページでも、今週中にモデル正社員登用規程をアップしようと思っています。

さて、今回のケースでは、正社員登用といいましても、複数のコースを設定しているのが特徴的です。特にスーパーマーケットは、地域に密着していますので、異動が伴わないケースが、よい場合もあるでしょう。

個人的には、「選択」と「自己責任」が重要な流れとなってきたかと思います。

つまり、正社員になるか否かを決めることは、本人の選択です。正社員になると決めたら、会社の正社員登用規程に基づき、会社の定める基準をクリアするよう頑張ることになります。

ただ、正社員になれば責任や処遇が高まるのが一般的です。時には、夜遅くまで残業したり、上司と部下に挟まれてストレスを感じることもあるでしょう。

しかし、正社員を選んだのは自分自身ですから、それは「自己責任」につながります。そこは、自覚が大切になります。

「選択」と「自己責任」を意識することが重要になります。

はるやま、店長を非管理職に(5月28日13面)

<記事の概要>

紳士服専門店業界4位のはるやま商事は、384人の店長全員と本社勤務の係長全24人を、会社が残業を支払う管理監督者から外しました。

5月から残業手当を支払うことになります。

紳士服専門店業界では、大手4社すべてが店長を非管理監督者にしたことになります。

<意見・解説・感想>
マクドナルドが、店長に残業代を支払うこと等もあり、店長に残業代を支払う動きが加速しているようです。

実際に、残業代を支払うとなると、当然、今まで支払っていなかったものを支払うわけですから、人件費が上昇することにもつながります。

会社によっては、これを機会に賃金制度そのものを見直すことになるでしょう。もしかしたら、みなし残業手当が増えるかもしれませんね。

さて、残業手当という問題がクローズアップされていますが、やはり「原則的には残業禁止。但し、例外として残業は事前承認のうえ、許可することがある」が重要です。

これをトップのリーダーシップで徹底することが大切です。

残業をなくすということは、必然的に業務時間中の集中力が向上し、生産性を上げるための工夫がうまれます。

結果として、人件費削減のみならず、収益性の向上にもつながると思います。業務効率が上がるからです。

是非、積極的に残業削減に取り組んでいただきたいと思います。

店長年収 幸楽苑 100万円上げ(5月29日15面)

<記事の概要>

ラーメンチェーン大手の幸楽苑は、全国のラーメン店の店長の年収を平均100万円引き上げる方針です。

5段階の評価制度を導入して、評価に応じて最大120万円引き上げます。具体的には、増収、営業増益の継続を前提に加算します。

結果的に、約4億8000万円の人件費増が見込まれます。

尚、店長は管理職となりますが、残業手当を支払っていたとのことです。

<意見・解説・感想>
店長の残業手当問題が話題となる中、先進的な事例です。

今回は、人件費の増加が見込まれる中、あえて年収をアップさせることで、店長のやる気をあげようというものです。

こうした成果主義に基づく賃金制度変更を行う場合は、年収が下がるものがでて、背後には人件費抑制につなげる場合もありますが、今回は、明らかに人件費の多額な増加です。

会社の思い切った経営判断といえるでしょう。

今後の課題としては、店長の年収アップも重要ですが、他の従業員の処遇改善も重要となります。

店長ははりきるでしょうが、他の従業員が、ついていけない場合も考えられます。他の従業員についても、働き具合によって処遇を改善する配慮も大切になるでしょう。













フッター

(今年の主な執筆です。)
企業実務5月号 ビジネスガイド キャリアサポート 開業社会保険労務士専門誌SR
企業実務5月号(日本実業出版社)
ポイント制退職金について執筆しました。
(担当:坂本)
ビジネスガイド5月号(日本法令)
相談室:派遣社員直接雇用時の労働条件について執筆しました。
(担当:深津)
キャリアサポート(キャリアクリエイツ)
4月号 秘密管理に関する問題について執筆しました。
(担当:坂本)
5月号 管理監督者に関する問題について執筆しました。
(担当:深津)
開業社会保険労務士専門誌SR(日本法令)
特集記事「偽装管理職・名ばかり管理職、偽装請負」について執筆しました。
(担当:深津)

Q&A労働契約法と改正パートタイム労働法のポイント Q&A労働契約法の解説
Q&A労働契約法と改正パートタイム労働法等のポイント(新日本法規)
雇用対策法の改正について執筆しました。
(担当:深津)
Q&A労働契約法の解説
(ぎょうせい)
労働契約に関する原則について執筆しました。
(担当:深津)

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